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『まきもドリル』作・ギャスブレス

『まきもドリル』作・ギャスブレス
『ひろし!まだ宿題終わってへんの?母ちゃん、あれほど言うたやないの!』
夏の風物詩『怒り狂う母ちゃん』。
話は1ヶ月前に巻きもどる。
『今年の宿題は少なめにしといたぞ!』
明日から夏休み。担任の先生がどこか楽しげに宿題を配る。国語・算数・理科・社会のドリルが一冊ずつ。読書感想文・工作と絵日記まで・・・。
『少なめって、なんやねん。』
小学五年生だって案外忙しい。習い事のサッカー、週三日の塾、子供会のキャンプ。宿題にかまっている暇などないのだ。
夏休みカウントダウン、あと三日。宿題はほとんど手付かず。算数がキライなボクは、さっき初めて算数ドリルにさわった。
プルルルル・・・突然携帯が鳴る。友達のあきおからの電話だ。
『もしもし?おまえ、まだ宿題終わってないだろ?そうだろ?』
『ああ?そうだよ、悪いか?』
『それなら明日公民館に『ドリルじいさん』っていう、夏休みの宿題を見るプロが来るんやて。』
『ドリルじいさん?』
『略して『ドリじい』って呼ばれてるらしいで。無料でセミナー開いて全国をまわってるんやて。』
うさんくさい話だけど、ボクは行くしかなかった。
次の日、あきおと公民館へ。昔からある寂れた建物で、中にいるのは何の目的で来てるのかわからないお年寄りが二・三人。子供はぼくらしかいないようだ。二階の多目的室が会場のようだ。
『ドリルじいさんの夏休み宿題セミナー』
『セミ』の文字の上に『蝉』の絵が描いてあるポスターだ。
『なんやねん・・・これ。』
とにかく宿題を終わらせるためだ。ドアをノックしていざ教室へ。
つづく

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